今回は、『20歳の自分に受けさせたい文章講義』をご紹介します。
私が新卒1年目の時に、先輩から頂いた1冊です。
- 新社会人の方(文章で報告する機会が増えた方)
- 文章をまとめることが苦手な方
- なかなか自分の考えをまとめられない方
にとって、とても役立つ内容が書かれています。
「文章を書くとはどういうことなのか」を学びたい方は、必見です!
こちらもオススメです→『入社一年目からのロジカルシンキングの基本』で学ぶ、正しく考える為の3つのポイント
<目次>
①文章とは、「翻訳」である
人は、会話をしていない時も、頭の中で言葉を発しています。この「内なる言葉」を、他人に伝わる言葉にすることを、著者は「翻訳」と呼んでいます。文章が上手に書ける人は翻訳が上手にできています。反対に、翻訳がうまくできない人は、文章を書くことも苦手です。
翻訳する際のポイントは2つです。
- 翻訳するもの(自分の考え、伝えたいこと)を、しっかりと理解すること
- 相手に伝わる言葉で、翻訳すること
つまり、文章を書く際は、伝えたい内容を正しく理解し、伝わる言葉で表現することが求められます。
「伝えたいことを正しく理解する」為に何をすべきか、筆者の考えを見てみましょう。
②「理解して、書く」→「書いて、理解する」
著者は、「自分が何を伝えたいのかを知る為には、まずは文章を書くことが重要」と、書いています。人は、理解してから書くのではなく、書くことで理解するのです。「誰かから聞いた話」や「読んだ知識」を理解するには、「自分の言葉で表現する作業」が必要となります。自分の言葉で表現することで、「3つの再」が得られるのです。
【3つの再】
- 再構築…伝えたいことを、「わかりやすい流れ」で言葉に変えること。「結論→理由→具体例→結論(主張)」や「起承転結」の順に言葉を並べるかえることで、ストーリーを再構築する。
- 再発見…自分の言葉に置き換えることで、「本当に伝えたかったこと」が見えてくる。重要だと思っていたことが、いざ書いてみると「わざわざ書かなくて良いや」となることも。
- 再認識…自分の言葉にするということは、自分のフィルターを通すということ。よく使う言い回しや、言葉を知ることで、自分の意見(価値観)などについて、再認識できる。
私は社会人1年目の時に、1日3回以上、議事録を書くように言われていました。思い返すと、会議の内容を理解する為に、まずは会議の中身を書くことを求められていたのだと思います。(当時は「会議多すぎだろ…」と思っていましたが。)
以上のことから、「伝えたいこと」をしっかりと理解する為には、書くことが重要だと分かりました。しかし、伝えたいことがしっかりしていても、伝え方が悪いと相手には伝わりません。
続いて、「相手に伝わる言葉にする為にはどうしたらよいか」について、著者の意見をご紹介します。
③「読者の椅子」に座ると、伝わる
筆者は、伝わりやすい文章について「説得せずに、納得させる文章」と表現しています。「説得」は「他人の為に何かをする」という「他人事(ひとごと)」のイメージです。対して、「納得」は「自分もそう思う」といった「自分事」のイメージです。人は、基本的に自分事にしか興味がなく、他人事には興味がありません。「伝わる文章」とは、「自分事に思ってもらえる文章」のことを指します。
読者に「自分事」と思ってもらう文章を書く為には、読者が「何を求めているか」を考える必要があります。つまり、読者の「自分事」を考えます。よく、「読者の立場で考える」と言いますが、著者は「読者の椅子に座る」と表現しています。なぜ、「椅子」なのかと言うと、椅子には「一人しか座れない」イメージがあるからです。
椅子に一人しか座れない以上、読者として想定できるのも「特定の誰か」になります。「一人に対して書く」ことで、読者像が明確になり、伝わりやすい文章となります。反対に、「日本に住んでいる若い人」など大勢に向けて書くと、「誰でも分かるが、伝わらない」といった「他人事」の文章となってしまいます。
ちなみに、読者の椅子に座るのは、「未来の自分」や「過去の自分」でも良いそうです。
私は「過去の自分」に向けて、「もっと早く知りたかったこと」を書くことが多いです。
【まとめ】
まとめです。
今回ご紹介した内容以外に、読みやすい文章を書くためのコツ(文体やチェック方法など)や、文章を構成する際のテクニックについても、分かりやすく書かれています。言いたいことが上手く文章にできずに悩んでいる方は、ぜひ読んでください!
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